はじめに~恋愛と記憶~

『ラブストーリーの中で、おすすめありますか?』と聞かれたとき、私は『バレンタインデー』か、画の名前をあげます。もし、この質問をたずねてくださった方が映画を普段見ない方であれば、確実に『バレンタインデー』を勧めますが、映画好きの方には『エターナルサンシャイン』を勧めます。

初めに言っておくと、この映画は万人受けするものではないかと思います。映画のストーリーがやや難解であることや、メッセージ性が非常に強いことがその原因として挙げられます。そのため、映画をしっかりと見ていないと、『あれ?どういうこと?』となることかと思います。

僕がこの映画を強くお勧めする理由は、この映画における失恋後のカップルの心理描写の巧みさと、メッセージ性の強さに非常に強く心を打たれたためです。

この映画は、特定の記憶を消す技術が発達した世界の話となっています。主人公のジョエルは、ささいなことがきっかけとなり、彼女のクレメンタインと大喧嘩をしてしまいます。数日後、ジョエルがクレメンタインのところを訪れると、クレメンタインはジョエルのことを知らない人のように扱い、新たな恋人をつくっていました。

ジョエルが友人にクレメンタインの変化について尋ねると、友人はクレメンタインがジョエルとの記憶を消す手術を受けたことを打ち明けます。ジョエルは、あいつが僕のことを忘れたなら、自分もあいつのことを忘れてやる。と手術を受けることにします。

 

1.『恋人との記憶を消したい』

クレメンタインに忘れ去られてしまったジョエルは、彼女と過ごした全ての記憶を消去する手術を受けることに決意します。悲しかった記憶も楽しかった記憶もリセットし、引きずることなく次の恋愛につなげることができるように試みました。記憶を消去する手術は、次のような手順を取って行うものです。

1.彼女との記憶を思い出す。

2.その記憶を夢の中のように追体験する。

3.その記憶を消す。

ジョエルは、彼女と別れた最近の記憶から順にさかのぼっていき、出会いのシーンまで記憶を消去することに承諾します。当初は手動操作で記憶を消していきましたが、徐々に自動消去モードに切り替わっていきます。このようにして、ジョエルは記憶を追体験しながら、思い出を一つ一つ消していく作業に入っていきます。

 

2.『この記憶だけは消さないでくれ』

さて、ジョエルはクレメンタインとの記憶を全て消し、リセットしたいと考えていました。しかし、彼女との記憶は悪い記憶ばかりなのでしょうか?

ジョエルは、クレメンタインとの記憶をさかのぼっていくうちに、悪い思い出だけではなく良い思い出もあったんだと実感します。しかし、記憶の自動消去ははじまっていき、自分で記憶の消去をとめることはできません。ジョエルは、クレメンタインとの記憶を消したくないと思い始めます。

自分自身、この点には非常に共感することがありました。やはり、別れた恋人との思い出は悪いことばかりが浮かぶはずです。しかし、本当に思い返してみると、同じくらいいい思い出もあるのではないでしょうか?

ジョエルは、『この記憶だけは消さないでくれ』と叫びます。しかし、自動消去モードに入っていることから、ジョエルの思いは誰に届きません。さて、ジョエルのクレメンタインとの記憶は、いったいどうなるのでしょうか?

 

3.絶対もう1回見たくなる”からくり”。

映画のラスト付近ではハッとさせられます。詳しくは言えませんが、「どういうこと?」「何が起こってるの?」と戸惑うことかと思います。段々と、この映画の時系列や全容がわかってくると、「なるほど、あのシーンにつながるのか。」とスッキリすることかと思います。

私は最初にDVDでこの映画を見ましたが、もし映画館で見ていたら巻き戻したいとやきもきしていたはずです。この映画を一度見たら絶対巻き戻してみたくなるシーンがあります!


おわりに~大切な人をもう一度考えてみる~

『エターナルサンシャイン』には様々なメッセージがありますが、自分が1番心を打たれたのは、恋愛と忘却というメインテーマでした。付き合っている恋人と別れた際、あるいは、上手くいかなくなった時、その人のことを忘れようとしたり、その人のもとを離れようとする選択肢を選ぼうとしがちになります。

しかし、一度立ち止まって思い返してみると、その人と過ごした楽しい思い出も湧き上がってくるはずです。この映画は、大切な相手を様々な角度で見つめなおし、思い返すきっかけとなるような映画となるかもしれません。

 

 

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